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夜間頻尿(夜トイレに行くのは病気?年齢?)

「若い時は夜トイレに起きる事がなかったのに…」と悩まれている人は多いと思います。実は、男女ともに50歳を過ぎれば60%以上、70歳以上では90%以上の人が夜1回以上、さらに80歳以上では2人に1人が3回以上トイレに起きています。このように夜間にトイレに起きる<夜間頻尿>は年齢が大きく影響していますが、これは加齢とともに夜間頻尿になる原因が増えてくる事に関係しています。

夜間頻尿の原因は大きく分けると3つあり、①夜間の尿量増加、②膀胱容量の減少、③睡眠障害です。そして、これらを招く病気として加齢とともに増加する高血圧症、腎臓病、心不全、糖尿病、前立腺肥大症、過活動膀胱などがあります。さらに近年注目されているのは、<水分>や<塩分>の摂りすぎです。和食は塩分が多く、日本は世界で最も塩分を摂取する国のひとつです。過剰な塩分摂取は飲水増加や血圧上昇、浮腫を招き、夜間尿量を増やします。また、熱中症予防のために水分摂取が勧められていますが、水分の摂りすぎも夜間頻尿の原因になります。では、<どれくらい飲んだらいいのか?>というと、一般的には<体重Kg>×20-25mlくらいが目安です。尿量については、1日の尿量と時刻を記録していただき、夜間の尿量(就寝後から起床時最初の尿)が1日の尿量の1/3以上であれば夜間の尿量が多すぎます。このように夜間頻尿には、加齢、病気、生活習慣が複雑に絡んでいます。<たかがトイレ>と思われるかもしれませんが、夜間3回以上トイレに起きる人と2回以下の人では寿命にも差がでているのです。<歳のせいだから>とあきらめずに、ぜひ一度当科にご相談ください。