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【漢方薬】のおはなし

はるか昔、私たちの祖先は病気やケガをした時、どうしていたのでしょう?病院もなく、本も薬もなかった時代、それを自然な流れと受け止めて神仏に祈るしかなかった時代がありました。今の日本の漢方は、そのような時代に中国からその基礎が伝わり、1000年以上の時間をかけて日本の中で日本人に合うように磨かれ受け継がれてきました。

漢方医をしていると、その驚くべき効果と奥深さに驚かされることがよくあります。この時期に訴えの多い冷えや浮腫み、女性の生理不順や更年期障害など、私たちの祖先もつらい思いをしたときに用いてきた漢方薬は、現在の私たちにも同じように大きな恩恵をもたらしています。

頭痛や足のつり、抗がん剤の有害事象に対しても漢方薬はよく用いられていますが、そのメカニズムも最近になってようやく科学的に解明されてきました。しかし、漢方薬はすべての患者さんに効くわけではありません。漢方薬は<個>に対する薬であって、今の薬のように<不特定多数>に対する薬ではないため、個々の患者さんに対する東洋医学的診断が非常に重要であり、それに基づき漢方薬を選びます。したがって、まったく同じ症状でも選ぶ漢方薬は変わってきます。

最近では、漢方薬に食事療法を併用し、肥満症や高血圧、高脂血症が改善し喜ばれた患者さんに多数出会ってきました。メタボ気味であった私自身も漢方を学びながら、日々の食生活を見直し、<普通に戻る、普通でいる>ことのすばらしさを体験しました。

すべてが便利になり、いつでも美味しいものが気軽に手に入る一方で、その副作用に悩まされている現在の私たち、<普通に戻りたい>と思われる方は、ぜひ一度ご相談下さい。